教育・研究トピックス

Forum: Web-based Agro-biological Resource Engineering Educational Program (台湾大学と筑波大学とのWebベース生物資源工学教育プログラムフォーラム)

2021年3月11日 午前11時~午後3時30分、Web会議システム(Webex)を利用した、国立台湾大学、農業食料工学会(生物資源部会)、筑波大学とのWebベース生物資源工学教育プログラムフォーラムが開催された。参加者は、約60名、国内外から農業環境工学分野、生物資源工学分野に関心のある教育関係者、研究者、一般の方が参加した。

筑波大学生命地球科学研究群農学学位プログラム及び持続環境学学位プログラムでは、2020年度「教育戦略推進プロジェクト支援事業」に採択され、「環境フィールド情報を含む Web ベース生物資源工学教育プログラムの国際展開」に取り組む一環として、本フォーラムが企画された。

本フォーラムは、新型コロナの影響で対面授業の多くがWeb上でのオンライン、あるいはオンデマンドの授業へと変化する中で、農業環境工学分野で重要となる、実験やフィールドで行う実習等のライブストリーミング配信による授業の可能性を、実際の研究室紹介、実験室紹介、フィールド紹介を行い、議論した。

本フォーラムでは、Huu-Sheng Lur学部長(国立台湾大学)山岡裕一生命地球科学研究群長(筑波大学)の挨拶の後、筑波大学とダブルディグリープログラムを実施している国立台湾大学農学部の協力を得て、主に農業環境工学分野の研究室紹介を行った。

筑波大学から4研究室、農業食料工学会(生物資源部会)からは1研究室(東京大学生物機械工学研究室)、国立台湾大学からは2研究室が研究室紹介に参加した。筑波大学からは、指導学生を通じた遠隔でのマイクロウエットミリングの操作、凝集沈殿実験、電導インクの紙への印刷と検証実験、微細藻類培養施設とエリアンサスのペレット化(東京大学)、自律走行型スピードスプレーヤーと筑波大学TPIRC農場の空撮による紹介、国立台湾大学からは、茶葉収穫の補助ロボットや近赤外分光法の紹介などが、ライブで行われた。その後、国立台湾大学、京都大学、筑波大学で行われている合同授業等での、遠隔実験実習の導入などが議論された。

本フォーラムで行ったライブストリーミング配信は、遠隔での実験実習といった授業だけでなく、大学説明会、見学会などへも利用が可能であり、遠隔地のリアルタイム測定などによる研究を推進できるともに、災害時などにドローンを通じたリアルタイム中継などが可能となり、withコロナ、postコロナにおいても、さまざまな応用が期待される。

フォーラム企画運営協力者(敬称略):台湾大学:Suming Chen、Ping-Lang Yen、東京大学:古橋賢一、筑波大学:阿部淳一ピーター、江前敏晴、北村豊、小林幹佳、トファエルアハメド、野口良造)

文責:野口良造(筑波大学)