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【研究室にようこそ!:番外編】ミツバチ先生のむしムシ紀行② 

保全生態学研究室 横井智之 助教

トンボ

皆様こんにちは。むしムシ紀行担当の横井です。

最近は日中に外に出ようものならば、あっという間に強い日差しに肌が焦げるのかと思うほどです。そんな時は水辺や木陰へ行ってみましょう。そこでよく出会える昆虫の代表格は、トンボです。

つくば市内でも、いろんな種類が見つかります。シオカラトンボやコシアキトンボといった中型サイズから、アオモンイトトンボやホソミオツネントンボなど小型の種までいます。

トンボは、日本で最も親しまれている昆虫の一つといってもいいでしょう。大空を素早く飛び、獲物に果敢に前進する姿から「勝ち虫」などといって、古来より縁起の良い生き物として扱われ、装飾にも頻繁に使われてきました。

さて西洋では、そのイメージはちょっと違っています。トンボの一般的な英語名といえば、Dragonfly(ドラゴンフライ)ですね。Dragonは竜を意味しています。西欧の神話や民話に登場する竜は恐ろしく、不吉さを感じさせる描写がされています。その竜と同じく、トンボは得体のしれない怪しげな生物だと思われていたということです。でも、実は別の名前もあります。それがDamselfly(ダムゼルフライ)です。

イトトンボの仲間は、主にこちらの表現で呼ばれています。発音してみると、何か力強い生き物にたとえられているように感じられますが、Damselとは、乙女や少女を意味する語です。竜とは全く異なるイメージですね。イトトンボの仲間は、水辺に生える植物の茎や葉などにとまっているのを見かけますが、体がとても小さいため、うっかりすると見過ごしてしまいます。ヤンマやアカネのように悠々と空を飛び回って活動するのではなく、わずかな距離しか移動しません。地味な仲間に思われそうですが、とてもカラーリングが美しい種が多いんです。体にまとう色は、青色から黄色、オレンジとさまざまです。

ぜひ水辺に行く機会があれば、立ち止まって探して見てください。

 

 

(記事:2023年8月に生命環境Instagramに紹介したものを転載しております)


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