卒業生の声

社会で活躍されている卒業生・修了生の活動を紹介します。

No.09 町田 僚子(旧姓 平野) MACHIDA Ryoko
国立研究開発法人 農業・食品産業技術総合研究機構
本部企画調整部国際室 主任研究員


生命産業科学専攻

経歴

1995 東京農業大学農学部農芸化学科 卒業
2005 MSc. Conservation and Utilization of Plant Genetic Resources, The University of Birmingham, Birmingham, UK
2009 生命環境科学研究科生命産業科学専攻修了・博士(生物科学)
2010〜2012 JSPS科学技術研究員派遣事業 メキシコ国立遺伝資源センター
2013〜2016 筑波大学生命環境系 研究員(JICAプロジェクト専門家としてメキシコ遺伝資源センターへ派遣)
2017 現職

私は現在、国立研究開発法人 農業・食品産業技術総合研究機構(農研機構)に勤務しています。本部企画調整部の国際室で組織の国際化の推進に係る業務に携わっていますが、特に筑波大学生命環境科学研究科の博士課程在学中、またその後の研究員としての勤務を通じた海外での経験とその中で築いた人とのつながりが、私の財産になっていると感じます。

私は社会人を経験してから筑波大学生命環境科学研究科に入学しました。青年海外協力隊への参加、海外での修士課程を通じ、海外での生活経験はありましたが、研究分野である遺伝資源の保全と利用に係る世界的な活動への参加は、筑波大学の生命環境科学研究科での博士課程とその後の研究員としての活動を通じてこそ経験できたものです。これは、何より恩師の渡邉和男先生のお力添えのおかげです。学生時代から海外での調査や国際会議参加等さまざまな機会を与えてくださり、専門分野の世界的な動きを肌で感じることができました。

また、世界有数の研究機関が集まるつくばは、さまざまな学会・イベントが開催されます。そのため、世界的な研究者の発表を直に聞く機会が多くあります。海外の著名な研究者のお話を直接聞く機会もありましたが、中でも特に印象に残っているのは、1970年のノーベル平和賞受賞者で緑の革命の父と呼ばれているノーマン・ボーローグ(Norman E Borlaug)博士の2006年の筑波大学への来学です。農学に携わっていれば一度は名前を聞いたことのあるボーローグ博士の話を直接聞く機会とあって、心待ちにしていた講演でした。博士は当時90歳を超えておられましたが、世界の食糧問題に対する情熱のこもった講演に、自分の志した農業研究という道は間違っていなかったと自信を持つことができました。

所属した研究室を始め、筑波大学生命環境科学研究科には留学生が多く在籍し、世界各地に友人を作ることができました。日々の研究活動を通じた議論や、プライベートでの交流を通じてさまざまな文化背景を持つ友人を作れたことは、私のとってかけがいの無いものとなっています。卒業後は皆それぞれの進路へ進み世界各地で活躍しています。この友人たちとのつながりが、仕事はもとより、わたしの人生にとってかけがいのないものになっていると感じます。

筑波大学は皆さんが自分の可能性を広げられる場所だと考えます。在学生の皆さんも、これから筑波大学を目指す皆さんも、人とのつながり、環境、機会を最大限に生かして、自分の世界を広げて行ってほしいと願っています。

一目で多様性がわかる研究室の集合写真。前列右から3人目が筆者。