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筑波大学新技術説明会(オンライン開催)

新技術説明会は、国立研究開発法人科学技術振興機構(JST)の協力を得て、大学等の公的研究機関が主体となった研究成果(特許)の実用化を目的に新技術や産学連携に興味のある企業関係者等へ研究成果を発表するものです。2020年度の筑波大学新技術説明会は、WEB開催で実施いたします。

筑波大学新技術説明会(オンライン)

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生命環境系からの出展テーマ:アグリバイオ分野

4) コウボとカビ、二つの顔を持つ、ミツバチなど多様な昆虫から得られた腸内外両生菌類コレクション

山岳科学センター菅平高原実験所 准教授  出川 洋介(菅平菌学研究室)

【新技術の概要】
有益昆虫のミツバチなどハナバチ類をはじめとした系統分類学的に多岐に渡る昆虫の腸内の真菌類フロラの調査を進めてきた結果、定法では検出しづらく看過されてきた多様な真菌類が得られることがわかり、特に嫌気的な腸内と好気的な腸外の双方で2タイプの生育を示す特徴的な菌群が効率的に得られるようになった。
【従来技術・競合技術との比較】
従来、集中的、体系的にスクリーニングがなされてこなかった昆虫腸内菌類のサーベイを進めた結果、二核菌系の酵母に加え、酵母状増殖を示す接合菌類を多数得ることに成功した。これらは、嫌気条件で酵母状、好気条件で菌糸状と二相の生育切り替えを示し、生育が速く酵素活性も高いため発酵や醸造利用に期待できる。
【新技術の特徴】
・酵母状、菌糸状の二相の生育切り替えを示す多様な菌群のスクリーニングが可能となった。
・嫌気条件、好気条件双方での生育が可能な多様な菌群のスクリーニングが可能となった。
・目的に応じて、固体・液体双方の培地上での増殖コントロールが可能な多様な菌群が確保された。
【想定される用途】
・糖化能を利用した醸造やバイオエタノール生産への応用。
・有益昆虫のプロバイオティクスに向けた新規有効飼料開発への応用。
・有害昆虫の駆除に向けた生物学的防除への応用。

 

5) 植物生育促進細菌の培養・評価基材の開発と利用
生命農学学位プログラム/生命産業科学学位プログラム 教授 青柳 秀紀(細胞機能開発工学研究室)

【新技術の概要】
持続可能な農業に貢献できる植物生育促進細菌の各種の活性を簡便に評価し、新たな植物生育促進細菌を培養化できる特殊セルロースフィルムを活用した植物生育促進細菌の新規な評価・培養基材を開発した。
【従来技術・競合技術との比較】
植物生育促進細菌を探索する際、植物生育促進活性の評価が必須であるが、従来法は操作が非常に煩雑である。また、従来の培養法では、多様な植物生育促進細菌が取得できない。今回、開発した新規な評価・培養基材は従来の問題点を解消し、効率的に植物生育促進細菌の探索、獲得ができる。
【新技術の特徴】
・植物生育促進微生物の効率的取得
・環境低負荷型農業に必要な微生物資材開発
・新たな微生物資源の開拓
【想定される用途】
・環境低負荷型農業
・植物工場
・土壌改良